人体解剖実習に参加しました。
2021.03.11
先日、リモートで人体解剖実習に参加しました。
今回のテーマは背部の筋肉・神経・筋膜組織についてでした。
私自身のテーマとして、
不調を感じる原因のひとつとなる
「筋膜がどのような組織なのか、
身体の内から見て知る」
ということです。
筋膜とは
・文字通り「筋肉を包む膜」なのですが、筋膜は筋肉を包んでいるだけではなく、内臓や骨などすべての組織を包んでいます。(下図参照)
<下腿部の輪切り画像>
筋肉の間や骨を覆っている白い部分が筋膜
※プロメテウス参照画像
・何層にも重なるコラーゲン繊維であり、伸縮性は10%程度。
・一つの筋膜がどこからどこまでという認識はなく、連結して骨に付く腱や骨膜に移行したりで身体全体を覆っています。
筋膜の役割
主な役割は、センサーです。
- 痛みなどの感覚受容器
- 筋肉がどれくらいのスピードで動いているか
- 筋肉にどれくらいの負荷がかかっているか
- 内臓の動きの情報
など様々な情報を脳に伝えています。
考察
筋膜の重要性
筋膜は、刺激によってコラーゲン繊維の分泌が促進され分厚くなります。ケガや手術跡は繊維が癒着してしまいます。
また、偏った姿勢を続けていたりすることにより、筋膜がヨレたり他の組織と癒着してしまうと、内臓や筋肉がうまく機能しにくくなってしまうのです。
皮下組織の筋膜が肥厚したり癒着すると、リンパ液や血液の流れを妨げ、疲労物質が流れにくくなってしまいます。いわゆるコリがこの現象だと考えられます。
筋膜を整える
筋膜に不具合がでると、コリや筋膜由来の痛みとして現れてきますので、その場合は筋膜を整える治療(筋膜リリース)をしていこくとが効果的と考えられる。
筋膜のヨレや癒着がとれることにより、痛みが軽減し、筋肉や内臓がまた機能してきます。
鍼灸治療は、深部筋膜に対するアプローチができるので、筋膜性の痛みには特に有効的だと考えられます。
教科書上での理解だけではなかなかイメージしきれない部分がありましたので、実際の身体の筋膜を見ることができたのはとてもためになりました。
今回の実習で、筋肉の痛み・筋膜性の痛みの区別がよりハッキリとしました。
「筋膜リリースによるアプローチ」「鍼によるアプローチ」
様々な観点から筋膜を整えることで改善する痛みはたくさんありますので、今後の治療に活かしていきたいと思います。